三次市甲奴町は広島県の中央部に位置し、標高600m前後の列状の山々に囲まれた内陸盆地です。町の中央を東西に貫流する上下川に沿って400m前後の平坦地が開け、そこに集落と耕地があります。昔から稲作が盛んな地で、広島県で最初の模範耕地整理事業が行われた町でもあります。
甲奴町は内陸盆地で一日の気温差が激しく、この気温の差が美味しいお米を作るうえで重要になってきます。
実りの時期、稲はお米のもとになるでんぷんを作ります。気温が高くなる昼間、気温が高くなると稲の機能も活性し光のエネルギーを使って、たくさんでんぷんを作ります。光のエネルギーがない夜間、稲は昼間に蓄えたでんぷんを自分が生きるために使いますが、夜間の気温が高いと稲の機能も活性しせっかく蓄えたでんぷんをたくさん使ってしまいます。
つまり、夜の気温が下がれば稲自体が使うでんぷんの量が少なくて済み、より多くのでんぷんを蓄える事が出来る仕組みになっています。
8月初旬からから9月中旬の実りの時期、平成25年の平均最高気温は30.5℃で平均最低気温は19.4℃でした。全国で米どころといわれる新潟県魚沼地域や熊本県阿蘇地域と比べても、平均気温差、平均最低気温、日照時間ともにひけをとらない地域であります。
また、日本海と瀬戸内海への分水嶺が点在する地域でもあり、比較的源流に近い地域で水質も良好です。
